途中下車 (再掲)/mizu K
 
みな嬉々として線路上に横たわっているから
ダイヤはいつもおおいに混乱しているから
みな時刻表を火にくべて灰にしている

階段をからんころん
降りるときに
あやまって足をすべらせた
すべらせたのでしょうがないので
わざと頭から飛びこんでみる

あしたは晴れるらしい
そうはればれとした顔で
階段から飛びこむのだ

ホームで女の子が
風せんが飛んじゃったと泣いている
幸い駅舎の柱の上の方にいた人がそこから
風せんをつかんで
事は解決した

はずなのだが始末の悪いことに
柱の上の方にいた人がそこから
風せんをつかんで飛びおりたので

消火剤がホームに飛び散って
みんな小麦粉をかぶったように白くなって
目をぱちくりさせている

改札への道のりは遠い


戻る   Point(5)