途中下車 (再掲)/mizu K
みな嬉々として線路上に横たわっているから
ダイヤはいつもおおいに混乱しているから
みな時刻表を火にくべて灰にしている
階段をからんころん
降りるときに
あやまって足をすべらせた
すべらせたのでしょうがないので
わざと頭から飛びこんでみる
あしたは晴れるらしい
そうはればれとした顔で
階段から飛びこむのだ
ホームで女の子が
風せんが飛んじゃったと泣いている
幸い駅舎の柱の上の方にいた人がそこから
風せんをつかんで
事は解決した
はずなのだが始末の悪いことに
柱の上の方にいた人がそこから
風せんをつかんで飛びおりたので
消火剤がホームに飛び散って
みんな小麦粉をかぶったように白くなって
目をぱちくりさせている
改札への道のりは遠い
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