嘘からの解放/
池中茉莉花
くっきり
焼き付いて
わたしは やっと
嘘をやめることができた
ふさがっていた気道は
ふんわりもとのまるさを取り戻し
わたしは思い切り空気を吸った
酸素が体中を満たし
わたしに走る活力をくれる
嘘のない
世界は
なんて自由なんだろう
これからは
どこまでも どこまでも
走って行けそうな
気がした
沈みかけた太陽が
そらを 橙色に染めていた
わたしをやさしく包み込むように
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