べつに渇いちゃいない(Do you like me?)/ホロウ・シカエルボク
そのそれぞれにいっときを苦しくしたりなんかしない
エコー・アンド・ザ・バニーメンのセカンドのジャケットを見ながら
まだ終ってもいないものを良かったのか悪かったのかと考えたりしてみた
きっとあの娘は
そんな俺の佇まいがいつしかたまらなく嫌になったのだろう
あるいは
本当に欲しいオレンジの缶詰を求めてマーケットからマーケットへ根気強く旅を続けているのかもしれない
もしもあいつがオレンジの缶詰を景品のように両手いっぱいに抱えて戻ってきたら
そのときはこれまでよりもう少し愛想よくしてやろう
そのときはこれまでよりも
近づけるかどうか試してみよう
カフェ・オレの缶を一気に飲み干しながら
昼間より明るい陰鬱な世界へ身体を傾けた
後悔の言葉はない、それが
確実に届くと判っているときにしか
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