べつに渇いちゃいない(Do you like me?)/ホロウ・シカエルボク
トの匂いを
存分に含んで吹いてくるから
ひとりという現象を受け止められないやつらの携帯電話が
開花のようにそこら中で開きだす、パカ、パカ、パカ
二度と地面を蹴ることの出来ない蹄鉄の哀れさに似ている
もう少しで破れてしまうタンバリンの哀れさに似ている
交差点で若い女の心許無いミニスカートが舞い上がる
性欲を刺激するには
節度に欠けすぎる柄に苦笑する
セオリーの中身なんてそんなには変わらないものだ
輝けないバタフライの方が本当は多いのだろう
タワー・レコードを見かけると入ってしまうのは
べつに音楽を欲しがっているわけじゃない
そこならなんとかしてくれるかも、なんて淡い期待
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)