ゆく/soft_machine
から
いって千夜をひとことつけくわえ語りゆき
たるんだプリンやゆがんだガラス窓は
救われぬ沈みにただ身をまかせゆき
真夜中の薄い壁は鳴って報せる
何が急になくなったのか
しずかに
祝いの鯛を
捌く刃がゆく
たどり着いた電子達はあかりを灯すとどこかへ
現れた水が進みやがて夜からまた朝へ
この宇宙はいやひろい素なのか
星を運んでどこへゆく
神は黙して触れゆく
心をたたく暗い速みを
魚が浮いて海を目指す流れの
老いた野犬がゆく川に見ている
不意に鳴きたくなったのだろうか
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