夏災報知器/A道化
 
もしていないと言い張ることはもう出来ず
虫籠など捨て去り名を呼び追いすがり肌を張り付かせることを欲してしまい
なのに、欲しても、欲しても欲しても確かなものはゴム草履と素足の密着だけ
嗚呼、確かなものは、ゴム草履と素足の密着だけ



佇み
ただ、眼圧、溢れ
取り巻く夏の流動に加わり
陽炎、陽炎、陽炎、陽炎
確かなものは
ゴム草履と素足の密着だけ


佇む体を
取り巻く夏
千切れ、飛ぶ
いま私その流動にて
何かに、おいてゆかれるところだ
何かを、おいてゆくところだ



2004.6.8.
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