海の彼を、泳ぐ/
山中 烏流
呪詛を吐いたあと
子宮の辺りへと、
息を潜めた
耳鳴りのように、/響く
波の音が
少なからず私を
海の彼の中で
泳ぎ回る魚の姿に
留めている、のかも
しれない
彼の、私である
ミユキは
もしかして
そこで泳ぎ続ける
魚に
なったのだ、ろうか
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(私の様々を摘み取った海の彼を、それでも私は、未だに泳ぎ続けている。
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