Don't Call Me Up/ホロウ・シカエルボク
 

どうしてもなんて無理は言わない
痩せた哀れな男に少しは慈悲を与えてもいいと思うなら
この俺に無償で愛を与えてくれないか
あんたがもしも気前のいい女なら
あんたがもしも馬鹿みたいに優しい女なら
無下にしたくないダーリンがいるのなら
そいつの名前で呼んでくれたってちっとも構わないぜ
数時間ぐらいなら俺はそいつにだってなれるかもしれない
俺で無くなれるならどんな努力だってするさ
「自分を大切にするの」なんて言わないでくれ
それをしようとしてこっぴどくしくじってしまったんだ

通りにはこれほども欲望が溢れているのに
俺の心臓を貫いてくれるものはどこにも落ちてない
いまさら何を求めればいいというんだ
月の輝く夜になにもかも失ったのに
細い蔓で幾重にも編み込まれて出来た
小さな椅子に腰掛けて呼び出し不可のアナウンスを夜明けまで聞いていた
コードを引っこ抜くんだ
そうしないときっとどこにも出て行くことは出来ない
シューズボックスの中で朽ち果てていく過去
終ったはずの雨がまた静かに降り始める



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