風来坊/
望月 ゆき
今から
向かいます。
と
彼方からの発信を受けて
待ちきれずに
窓枠から
片目をのぞかせる
目の中に飛び込んできたのは
方向音痴の雨粒だけだった
そういえば
ここまでの道順を
説明しなかったな、
とか。
渋滞してなきゃいいけど。
温度計と
湿度計の
目盛りは たぶん
ぜんぶ わかってるんだ。
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