昼過ぎに拾った情報によると/戒途
暗闇から這い上がった男が一人
妙に明るい空間の中記憶の埋め立て工事作業を始める
繰り返す日々の果てに幸せと温もりに縁はないと知った
動き始めた日々の末にあるのも絶望と悟ってた
「諦めた頃に見つかる」って云う「探し物」は最初からなかったらしい
「行方知れず」、だがそいつはもう死んでる
それでも身はただ一つ幸せを思う 遠くただ見える未来を思う
それはどこにあるだろうか そこにたどりつけるだろうか
確かにあるのは渦巻いた脳みそだ
それと使えるかどうかわからないこの身体だ
昔の知り合いはみんな死んだらしい
それが作られた情報かは知らないが
信じるか信じないかは俺次第だ
俺の心によって現実は変わらないが
懐かしい顔の一つや二つ 思い出しては消していく
懐かしい言葉一つや二つ いつ聞いたかはもう忘れたが
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