きみ/
草野春心
れ自体の働きなのか、
それとも意味との相乗効果か
ということがどうでもよくなるほど
愛すべき奥ゆきと耳当たりで胸を叩くのだ
こい というより液体的で
あい よりも綺麗で太い弧を描く そんな響きだ
この国に「一行詩」なるものがあるなら
君 とそう書いて終わりでよいとさえ思っている
タイトルはなんでもいい
この世のものじゃないような
美しい大きい樹の下で
君が〈ねぇ〉と僕を呼ぶなら
僕は……けれど何も言わずに
君にくちづけをすると思う
戻る
編
削
Point
(1)