降り来る言葉 XXXIII/
木立 悟
煙を煙に描きなおす
絶え間なく思いから外れながら
なお思いでありつづけながら
鳥は旋りつづけている
水面は 動かないものにやさしい
指のとなりに響く指
路地に立ち
空へひらかれる
とどかないうた
とどかないうた
つかみ かじり
つかみ かじる声
流れ去る香のまぶしさを
雷鳴のように引き留める
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