輪郭、その曖昧な、/望月 ゆき
 
ょうつがい}となる



歳月は茶褐色にめぐり
夜と朝を、
今日と明日を、
忘却と記憶を、それから 
輪郭とわたしを、縫合する
ぬるい湯につかりながら、まだ傷むその箇所に手をあて
目を閉じる 長い間、
主(あるじ)を亡くしていた輪郭の線は ひどく曖昧で
内側のわたしは ともすれば
外側にもなり得るのだと知る
瑞々しい秋光の中で、それは
幸せと不幸せの境界線と、よく似ている






戻る   Point(33)