錬金術/アハウ
 
天を突き通す パルス
尖塔を仰ぎ見て
コートの襟を立てて
足早に通り過ぎて

石畳を睨みつけ
落ち葉のささやきを
スケッチしたなら

帰るべき部屋で
レトルトは加熱され

言葉は錬金術 
鉛 水銀 赤い沈殿
重み 結晶 

朝の陽射しを受け切って
神々しい霊気はおりて

三っ目の目と三っ目の耳
錬金術は進んだのか 
停滞しているのか

日々 言葉を試している
言葉の固有 所有 感情 意味
醸し出された 雰囲気

この小高い丘の部屋から見える都市は
ちょうど ゴシックの尖塔の傾斜をもっていて

黒光りする尖塔群が林立する
ハリネズミのゆったりと動く 
背のようだ

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