氷解/
白川水
凍えそうな世界の最果てで
人等の悲鳴は今日も水晶の様に透明だ
裂帛たる幻影の集積から苦悶が雫の様に零れ落ちる
不確かな肉と骨と心臓を抱えるが故の煩悶
静寂に鼓膜を破れれぬようにと我等束の間の篝火に縋る
やがてはこの狂った世界が業火に呑み干されるのを渇望しながら
一時の悪夢に昔焦がれた純粋な想い出を視る
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