フラれる/プテラノドン
高速道路で、
料金所に座っているのは神父だった。
「これからどうすればいい?」と
ぼくは訊いた。しかし、彼はパントマイムするだけ。
「救済って命がけの手話みたいだな。」差し伸べられたその
真っ白な手袋の上に千円札をのせたぼくは
ネオンに手を染めるわけだが。
長距離バスがぼくを追い越して行く。そこには
乗客たちの寝息と、頬杖をついた女の横顔があった。
おそらくワイパーさえかけなければ消えないだろう。
もちろん、
雨など降ってきそうに
なかったけれど。
戻る 編 削 Point(3)