十代の人造水晶/しみまん
 
隣のおねえさんいつもフランスのにおい


屑篭の唇太陽にも濡れ


出世して消しゴム係補佐になる


見たことも無いのにやはり遺失物


空っぽな時もドキドキする器官


産湯深く裂け礫手の形に


秋の時計もやはり止まった


逡巡を盗んで柿の果肉肥え


内密の臓器がシャツを噛んで来る


流れ星あっちからあっちへと消え


雨が降るただそれだけの日曜日
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