蒼と路/木立 悟
 



つきあたりの家
つきあたりの家
風腫らす路
つきあたりの家


音のない日の
痛みある日の
片足立ち
つま先立ち


雨とはわからぬ
雨まじりのまぶしさ
午後の
まぶしさ


暗くなるまま
ほどかれる糸
隙間から見つめる
羽に覆われた目


水の路 鉄の路
決まりごとなく
ふりまかれる声
光の路 光の路


指先に触れ
蒼は蒼を増し
震えは震え
蒼の手に降り


遠い鉱と近い鉱とが
十二の指をからめている
同じ数の羽がにじむ
同じ数にちぎれゆく


傾けられる手のひらから
こぼれ落ちる細やかな蒼
どこからか来る震えに乗り
雨の向こうの冬を描く













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