少年ファンタジー/狩心
 
ガリガリ音がしたと思ったら、
空からカキ氷が降ってきた
シロップも流れてきた
あか、あお、きいろ、信号機みたい、
なんで降ってくるのか分からないまま
ボクは空を見上げていたんだ
あの頃の、戦争と同じように

この戦争がなんで起きているのか分からない、っておとうさんは言ってた、
分からないまま巻き込まれて、一部の人たちの思惑に利用されてるって言ってた、

おとうさんは今、工場のベルトコンベアーに従って、
何に使うか分からない部品を、言われた通りに作ってる、
最低の作業だって言ってた、
たしか、資本主義って言うんだって。

何も分からないまま、放課後
進路指導の先生に
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