一千万都市の無人駅/一般詩人-
 
ガラス張りの夕日を浴び帰途につくと
錆び切った列車がホームに転がり込んでくる
赤い鉄粉を吹き散らしながら


天を衝く花籠
店の名は
物言わぬ圧力の墨で書きなぐられる


灼けついたあの空の成分はすべて孤独だ


脱色した骨を敷き詰めた大地
からくりが澄んだ音を立てて回る


昭和的配色の街区では
自動的な野球中継が売られている


錆びた電柱の影
やさしさに満ちた色覚検査が続く


そしてうちっぱなしの空には
無色透明の現代が秋の温度を湛えている







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