鳥と/ゼロ
 
明日の空に湿り
どうにか飛び立った鳥は
鎖を断ち切ることが
できたのだろうか

ちぎれた雲の間にある
青色がわたしの気持ちを
こうも軽くするのは
穏やかに過した時間の記憶が
まだ残っているからなのか

もうやめてしまえばいい
何度も鳥はそう思った
ここから離れてしまえばいい
わだかまった時間が
長過ぎた鳥は
飛べることを忘れていた
鎖に繋がれたわたしは
かけ違えたボタンを直そうともせず
飛べない鳥の世話をしていた

飛び立った鳥は
くるりと軽やかに空で遊んだ
わたしは外に飛び出して
美しいものだけを探すことにした

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