崩れかけた熱情/狩心
愛さなくなる、時の涙
中身が溢れるほどだった女と男が
適度な空白を経て
激しい海をふたり思い出していた/
わたしたちはこれから、大気圏に突入して
真っ赤に、燃え上がると思う
そこに青い地球はない
そのとき初めて、空白が
声を持ち始める・・・
坑道の中で、一人の老人が
鉱物を掘り起こそうとしていた
硬い壁は1つの人生だと言って
それ以外の言葉を語らず
ただ黙々と削岩していた
宇宙に漂う隕石が
誰かの手によって、削られたものだとしたら
それが誰の手であったか
確めてみたいとは、思わないか
とんとん、とんとん、
誰かがノックする、音が聞こえる
とんとん、とんとん、
母親が子供に、料理を作る音が聞こえる
―― 今はどんな音も聞き逃さない
崩れかけた、熱情の中で
夢 、 吐息 、 温められた心 、 畑に立つ案山子に/キスをする/
朝 、 光の粒子/舞い上がった 、その すべてに――
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