深まる森/狩心
 
はないか
そいつは何も語らない
言葉を忘れてしまって
呼吸だけを繰り返している
その呼吸に、何の意味も見出せなかった
地雷を踏んで死ぬよりも
みすぼらしい姿

私は立ち上がった
そしてすぐに射殺された
しかしそれでよかった
立ち上がらないよりも
そこに意味はあったのだから

新しい森の為に再度
完全武装で密林のジャングル
得体の知れない茸が話し掛けてくる一睡も出来ない不安と恐怖の夜
ウトウトと居眠りをしてしまい気付いた時には皮膚上に密林のジャングル
得体の知れない茸が皮膚の細胞と会話している興奮冷めやらぬ情熱の夜
遺伝子の情報が書き換えられて唇から滴る唾液が赤
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