天守閣跡にて/美砂
 

柵なんて
あってもなくても
いっしょ
真下は
みないの
遠く
広がるものだけ

高みを吹く風は
乾いていて
梳いてゆく

大きな
大きな
櫛の目で

こころ
なぶられて
遊ばれるように



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