65P 「短歌2」より/むさこ
 
全力で迎えてくるるさまに咲く
沈丁匂ふ道のつづけり

受験の娘にせめて祖母の祈りとも
お守りを買ふ北野天満宮

日の丸の旗かかげたる旧家あり
白き土塀に添い行く元日

隣家に植木職人は ひねもすを
鋏の音さす秋の一日に

曼珠沙華 炎の如く咲く庭に
蝶は吹かるるさまに飛びたつ

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