鏡の泣くとき/
唐草フウ
秋じゃなければできなかったのでしょうか
空洞は風が増すほどに
流れてゆきます
いちにちの日短さ
胸の欠けてゆくそして
焦げてゆく茜の陽
沈んでゆき夜になる前の隙間で
歩きながら眺める 空は
言葉には到底届かず
反射できなくなった鏡
自らをも映しても見えず
雨は降っていない
少し正解から傾いた、時間
無理に笑わなくていい
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