ソ ラ ヒ ナ タ/和泉蘆花
わたしのお家にはおおきな窓があってね
その前にすごくちいさな廊下があるの
そこで ひなたぼっこしてあなたを想っている
お茶とお菓子を用意して 何時間もそこに
上着を羽織って 窓を開けたら
いろんな声が聴こえてくる 鳥の声や 子供の声 生活の声
うつらうつらとおばあちゃんみたいに眠ることも
眩しくて目が覚めたら 辺りは光に満ちているの
夢から覚めて ここはどこだろう? そんな風に感じて
その階段 降りてゆこう その階段
降りてゆこう
季節外れの蝶々が一匹 そこは哀しい場所だから、
わたくしの国へおいでませ わたくしの
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