映画日記、ただし日付はてきとう/渡邉建志
/2 水野晴郎「シベリア超特急5」
これは凄い。最初の30分ほどは、うわー素人映画だ、演技も下手だし(主役二人がきつい)音楽もセンス悪いし、カメラも不安定な感じ、いやだいやだと思っていた。たちの悪いカルト映画だなあと思ってみていた、が、どっこい。すっとこどっこい。水野晴郎がやたら話すようになると、ひたすら面白い。上手い。上手すぎる。人は水野の棒読みを笑うのだが、この素人演技が実に「上手い」。やられました。演技の下手さを逆手にとって生かすだけの技量がある。というよりもはや彼は演技していない。普通に「自然に素人演技をやっている」(!)ふつう、こういう通らない主張しない演技や言葉は、ガヤのなかに埋も
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