秋の水/まどろむ海月
る
その恋はもう死んでしまったよ
水に闇は重なり
ただ重なり
重なり続けて
こんなに透きとおった
草原も空も鳥も
残りはしない
高みを過ぎる時計よ
さだめの果てが来ても
君を葬るものがいなくても
彼は旅立っていく
旅人は何処へ行くの
あの旅人は何処へ行ったの
もどりはしないものが
もどらない笑みの中で
もどってくるの
ああ
終わらないものが
終わることのないものの中でさえ
終わらないようにね
旅は終わらないの
秋の水は
冷たくて
きれいだね
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