(嘘の臭いがしちゃうね)/リヅ
フォークでスパゲティを豪快に巻く
彼女はそれを大きな口に放り込んで一飲みにした
「続けてよ」
僕が口に出すワンテンポ前に彼女は大きな口を開く
「馬鹿みたいだよねぇ 戦争なんて 殺し合いなんて」
彼女は高すぎる音をだした
こっそり嬉しそうに
直後 その表情を白ワインで胸に流し込む
「戦いは 何も生まないのに」
自分でもちょっといいことを言ったと思ったのだろうか
鼻が少し高くなった しかしピノキオのそれではない
極自然に高くなった
顔つきは悲しげなまま 伏せられた睫毛は長い
きっと彼女はこうやって美人になってきたのだろう
実は
戦わなくった
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