愛とは/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
ど、山岡もいつまで生きられるかどうかわからないし、もしお前にこれを渡さないまま山岡が死んでしまったら、俺、一生悔いが残ると思って、だから……」
「……うん」
「なあ、聞きたいんだ」
俺は、重い表情になっている吉野に切り出した。
「あいつのこと、どう思う」
「……別に」
「べ、別にって……」
俺は驚き、まくしたてた。
「お前、あいつのことなんとも思ってないのか」
「別に」
「山岡はもうすぐこの世からいなくなるんだぞ?」
「あ、そう」
「かわいそうとかそういうこと、思わないのか」
「別に」
「お前の返事を待っているはずなんだ」
「あ、そう」
「山岡がかわいそうだとか
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