幸せの土壌/チアーヌ
わたしがまだずっと若くて
恋を信じていた頃のこと
大好きな恋人に
捨てられて
それでもしつこくして
嫌われて
あんなに好きだって言ってくれた人が
変わってしまったのが
どうしても信じられなくて
泣いても泣いても苦しくて
ぽっかり空いた穴の中
落ちて行こうと何度も思って
バイト先のコンビニでは
明らかに挙動不審な店員になってしまって
「休んでもいいよ」
と
暗にクビを言い渡されたり
今なら笑って思い出せるけど
それはそれは真剣でした
彼を取り戻すためなら
悪魔に魂売り渡してでも
お金で彼を買えるなら
どこからでも借金して
なんて
そんな思いが万
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