乾いてゆく風があった/soft_machine
 
波打つ草原をはしり
泡立つ都会でおよぐ
そこに生きる人達の
きっとくる明日を信じていたいから
空を眺めていると
ふと願わずにいられない
いつの日かこんなぼくを
感傷が成長してゆく輪にするだろう
それは罪から研ぎ出された
九月の影にうかされただけの
忘却に過ぎないものだとしても

静かに樹皮は冷えていった
穏やかに砂漠は拡がっていった
そして秋は今年つばさがなお空高い





戻る   Point(16)