?DISCHARGE?/九鬼ゑ女
 
ざらついた空気が
ばちっと音を立ててめくれてく
あたしの心は
そのたびに
へばりついた電気の糸を放電する

ねえ
夢時計の針が曲がってるよ
なんだか昨日の方を向いているような気がする
ううん。
明日だよ。

誰?
------ぼく?
そう。きみ…

かちっと時を刻みながら
折れ曲がった針は
あたしに向かってにやっと笑った

待っててくれるの?
な、わけないか。

あたしは
追っかけながら聞いてみた

ざらついたままの部屋が
少しだけ 湿った埃を
舞い上げた

あたしの皮膚の上では
放電は

まだ続いてる

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