[:Glass/プテラノドン
 
上着で頭をすっぽりと隠して、いかにも雨宿りでもするといった格好で
玄関に立つ泥棒たち二人。一方の男が合図を送り、もう一方の男が
捲れかけた網戸を気に食わなさそうに蹴破り進入する。そして、
はじまりからおわりまで、事が済むまで、十月にしては陽気な風に
歩道の落ち葉のそれと同じく、破れた網が揺れていた。
その光景がもとで、ただちに彼女が、彼らを憎むことを止める要因に
なることはない。それというのも、彼らが叩き割ったコップが、
床の上で砕け散って細かいのと大きいのがごちゃまぜとなった
G La ss  があまりにも悲しすぎたから。それでも、もしも
希望を失わずに欠片をふたたび一つ一つ繋
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