10月/んなこたーない
ころがあったのではなかったか。
そういったズレは日々の平穏さのなかではうまく見えないが、なにかAffairが起きたときなど、
望まずとも気づかされてしまうことがある。
ぼくは、いままでにも、近しいひとの言動で、
見てはいけないものを見てしまったような戸惑いと後ろめたさを覚えたことが少なからずある。
同じ過去や同じ未来といっても、完全に同一なわけではない。
ぼくとYにしたって、共通の思い出一つとってみても、
そこにはかなりの温度差や認識のズレがあるに違いない。
熱狂的な一体感も、冷めてみれば、不誠実なごまかしばかりが目についてしまうものだ。
ただでさえ、ぼくらは常に引力と斥
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