10月/んなこたーない
 

そのときぼくは、これはモダニスム然とした諧謔であると、クスクス笑わせてもらったものだ。
いま読んでも、この一行からは名状しがたいユーモアが感じられる。

「友よ しかし友はなく」という北園克衛の詩の一行が、アリストテレスを下敷きにしたものである(多分)と
気づいたのは、いつのことだったろうか。
もっとも、アリストテレスのいう「友」と、ぼくらが一般に使う意味での「友」には、相当の径庭がある。
しかし、それはともかくも、友達とは一体なんだろう? ぼくらは言葉を曖昧に使いすぎる傾向がある。
どうして、Y(新郎)とぼくは友達なのだろう? 
ぼくらの関係を定義するのには、それが一番妥当な呼
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