紙のクリスマスツリー/2006年のライブレポート/瓜田タカヤ
 
」と思った。

ライブ終わってみんなで飲んだ酒は本当に美味しいものです。
俺は「サッパリしたあ!」と何回も喋った。

タクシーで家に帰り、無理矢理カップラーメンを食ってみながら
カミさんとライブのビデオを観る。
カミさんが喜んでくれているのが嬉しい。
とりとめもない話をするのが楽しい。

大して大袈裟な、未来はいらない。
夜中にカミさんと、
どうでもいい楽しい話をもて遊べればいいのだ。
それは
それだけで古い欲望の感覚に
少しは満たされるからなのかも知れない。

アリの隊列、まぶしい日差しを受けた瞳が
自宅へ戻った時の暗く見える居間、
クッキーの匂い、瓶のコカコーラ、
ヨーヨーチャンピオンの赤いジャケット、

俺は
母親が居なくなった時から、何も変わって無いのかも知れない。

俺のやっている事はずっと同じで
不可能な事を試みているのだ。
過去の構築。
8歳の体感のリセット。
細長い雲との約束。
そうなのだ。

俺は いまだに泣きながら、

紙の
クリスマスツリーを
組み上げ続けているだけなのかも知れない。


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