おひとりさま/ふぁんバーバー
 
るかもしれない
でもだんだん好きになった食べ物があるだろうか
あら汁のなかで魚の目がしろい
なぜか舌がピリピリする
なんかの雑誌で読んだぞ
やばい記事だった
思い出さないことにする
おひとりさまは席を立つタイミングがむずかしい
だれも気にしないのにむずかしい
でも考えてみれば
誰だって人生のおひとりさまじゃないか
じゃじゃ馬にさえなれない
生まれ変わったらきっとモンゴイカだと思う
海の底で泳いでいたかったのに
なんの因果か
ホストと私の目の前を
じゅんぐりに回っているのだ
ずるいねわたし
こたえがでないよ
もっといいお店に連れて行ってくれるだろうか
でもそれがわたしののぞみなんだろうか
兄妹だったらきっとうまく行ったと思う
九皿お味噌汁で千四百円
ご飯を炊いて出かけてきたのに
気楽なものだね
おひとりさまは










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