おひとりさま/ふぁんバーバー
ひとりで
回転寿司に行きますと
何周もしている
モンゴイカにふと
周回遅れのじぶんじしんを重ねて
真向かいの
ホスト風の男が
うにいくらと注文しているのを
同じ色の皿ばかり積む私は
つい東京へ行った弟のことを思い出し
今日はあの子のお誕生日だった
おなかを空かしているんじゃないだろうか
三百グラムのハンバーグステーキを
おごってあげたい
なんて
ひとりっこだけど私は
気持ちのない人とつきあってはいけないと
きのう中学生の恋愛相談で
ラジオが言っていたよ
ほんとうにそうだなあとしみじみしたけれど
ほんとうにそうなのだろうかと疑ってもみる
だんだん好きになるか
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