メドゥーサ/
umineko
漕いで
舳先を波に
向けてなければ
私たちは
揺れて 揺れて
冷たい
冬の水底へ
私は
笑おうとして笑えない
何気ない言葉が
波が
牙を向けて寄せてくること
幾度も
学んだはずなのに
揺れる
揺れる
揺れる
あなたが
可笑しそうに空を見る
私は
生きるさみしさを
あなたに託したい
まだ
揺れ残るボートの隅で
私は明日を
強く願った
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