無差別殺人犯の心/アイルビユアミラ
幼い子供達が無差別に殺されたニュースを見て
悲しい顔をした君が
部屋に迷い込んだ小さな虫を
すかさず叩き潰した
それは
ためらいのない無意識な行為で
憎しみも悲しみもない
何気ない行為で
僕はそれを見て
何も痛みを感じなかった
僕はその殺しに
目を伏せることは無かった
きれいな水を飲みたい
美しい花の傍にいたい
戦争も無く
平和に暮らしていたいと
何気ない日常の声が流れた
死んだ虫のことはもう忘れていた
潰された虫は
悲鳴を上げることも無く
赤い血も流れぬまま
ただ、命が消え
動かなくなり
残された身体は
食べられる事
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)