夜感光/
山中 烏流
いけないのだろう
多分
地面を叩く音が
緩やかに弱まるのを
外から漏れる光と
私の瞳だけが
知っていたならば、いい
ヘッドフォンからは
もう、音楽は聞こえない
私はそれを外しながら
時計の音を探す
窓を、少しだけ開く
開いたあと
反抗を覚えた口が
私の知らない場所で
許しを請うていた
漏れている光は
すべからく、
十字を模していて
私の瞳だけが
それを、信じている。
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