夜感光/山中 烏流
 
いけないのだろう
多分
 
 
地面を叩く音が
緩やかに弱まるのを
 
外から漏れる光と
私の瞳だけが
知っていたならば、いい
 
 
ヘッドフォンからは
もう、音楽は聞こえない
私はそれを外しながら
時計の音を探す
 
窓を、少しだけ開く
開いたあと
反抗を覚えた口が
私の知らない場所で
許しを請うていた
 
 
漏れている光は
すべからく、
十字を模していて
 
私の瞳だけが
それを、信じている。
戻る   Point(3)