信仰告白/佐々宝砂
ないのだな、
してみると私が書き散らしたこの断片は何なのだ、
何の役にも立たないアホな切れっぱしか?
だが私は凡庸を怖れる。神よりも悪魔よりも。
闇を知るためには光を見なくてはならぬ。
どちらを好きかということはさておいて。
ところがあのひとは光の側にいるのだ、地獄堕ちの癖に。
しこうして私の目は光に向かざるを得ないんだが、
眩しくてかなわんのだ、サングラスが必要だ。
後光はもののかたちを歪める。私は歪みを愛する。
悦楽の園には新鮮な露滴る苺が実る、
どっこい私は苺アレルギーだ。
うーむ、やはりあのひとがいないことにはどうにもならん。
誰か扉を開けようって気概のあるやつはいねえのか、
泥まみれの顔を上げて私は吠える、破れた服を脱ぎ去って。
単純な歓びは単純なひとびとに残しておく。
さらば。
2001.04.24
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