逆光/九鬼ゑ女
 


   胸をはだけた まどろみの昼下がり
   エロチシズムの逆光が
   夢を遮って あなたの愛撫の手が止まる

   なぜ、なぜ、なぜを
   くちびるに言い含めてから
   ゆるりと腰を浮かして
   寝返りをする

   メトロノームの振り子が急かすから
   現実の谷間を
   夢はまさぐりはじめ
   問い詰めるわたしのくちびるも
   あなたを手繰るこの指も 慌てて止まる  
 
   
   だから 季節に逆らって
   だから いまも
   腰を浮かしたまま 
   胸をはだけた まどろみの中で・・・わたしは
   
   なぜ、なぜ、なぜのフレーズを繰り返す

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