スナップショットで写した空/あおば
 
                071006


カメラを素早く
懐に
軽四輪に飛び乗って
資源ゴミの回収に行く
ごみごみした都会の隘路
人情を踏み潰して平らに光る
それなのに
人だかりするのはどうしてと
美しい企みを知らないふりして
空はいつも穏やかに微笑んで
柔らかい光を放っている
疲れを知らない女性の鑑
まるでアナタのようですと
編集長は原稿をもらえない腹いせに
宅配便のお姉さんの私に嫌みを放つ
部屋の中では、タバコを切らしたまま
外へ出掛ける時間もなくした作家様
締め切り時刻をセットした顕微鏡のような眼鏡が
戻せなくなった深爪の意識を記憶する

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