また 一つ 秋が深まる/
アハウ
また一つ 秋が深まった
日々 透明な大気が 澄んで
また 今日の思い出は彼方へ
遠く 降り積もるのですね
桜の葉は 紅葉しているのでしょうか
あの 岡へ 登らなくては
人気のない
古びた 草いきれを通って
小道は隠者の指し示す
静かな 場所
この小さな道は二十世紀を
野辺送りした 道
石仏が密かに佇む
あなたと私の 秘密の山道
この 岡に 登らなければ
極彩色の秋は 見られない
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