君とのもう一度。/ala
 
むせかえる香りに

あの日を思い出す

歪んだ視界には

何も映らず

唯々、君の香りだけが

鼻孔へと届き

この場所を潰す様に

俺を侵食して行った。



夕闇に沈んで

朝日に浮かんで

雨雲に隠れた

この場所。



もう一度があるなら

現よりも夢で

夢よりも

その腕で

泣けた日に戻りたい。



触ったドアノブは

とても冷たくて

鍵なんか

二度と掛けられない。



何て不用心。


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