僕らの青い鳥/楠木理沙
 
ない
だけど それでいい
どちらにしろ結論はひとつしかないんだから 

こんなはずじゃなかったって思う
多くのものを無駄にした気がする
すべてのことに意味があると誰かが言ってた 
でも そこに散らかったゴミくずを抱きしめることは
今の僕には出来ないんだ
だから決めたんだ

青い鳥を探すんだ
そばにあるゴミくずに青い鳥を探しはしないさ
いつか草むらで寝転んでいた僕に
ふざけて乗っかってきた君の顔の背景に浮かんでいた
泣きそうになったほどの青と同じ色の鳥
そいつを探すんだ

見つけたそのとき ゴミくずは色を帯びるはずなんだ
何色だろうね
君の好きな黄色がいい
目がチカチカして 泣いてしまうかもしれない
でも そのときは泣き喚きたいときなんだ

ねえ青い鳥を探すにはグレーテルが必要なんだ
グレーテルになってくれないかな
彼らは兄弟だったけどそれは好都合なことなんだ
僕らには新しい物語が必要なんだから
新しい青い鳥の物語が必要なんだから






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