イタリアン・インテリジェンス/atsuchan69
 
はいたって陽気だ

人気のないコンチリアツォーネ通りを大玉に乗ったピエロが往く

暗がりの背後には影絵の大聖堂。
――そのベニヤ板みたいな寺院の裏側を、
嘘や妄信だのといった疑心暗鬼の薄汚い心の醜さとかが
もう、使える血管がないくらい注射痕だらけの
細い腕と腕でやっと支えていた・・・・

そうして今も防弾ガラスによって厳重に保護された
サン・ピエトロ寺院のピエタがあった

大理石の一枚岩をミケランジェロという名のゲイ、
イタリアンが削った
たかが彫刻。
何処までも、たかが芸術である

処刑された――
神のひとり子/息子/愛人?
いや、それ以上の男/を、

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